マンションの外壁塗装の疑問

FRP製タンクの塗替え

給水タンクの種類

 

給水タンクには、地上に設置する受水層と、屋上に設置する高架(高置)水槽があります。

 

また、高架水槽として、消火用水の小型タンクを設置していることもあります。

 

そして、タンクの素材としては、FRPとステンレスがありますが、
FRP製のタンクが一般的です。

 

FRPタンク

 

FRPタンクには、一体に成型した円筒形のタイプと、
パネルを組み立てた角系のタイプがあります。

 

1970年代は、一体成型のタイプが一般的でしたが、
1980年代になると、パネル式のタイプが主流になりました。

 

パネル式のタイプで30年程度放置状態にあるものをみてみると、
表面にキラキラ光るガラス繊維が露出しているのが分るはずです。

 

FRPとは、ファイバーグラスで補強したプラスチックのことで、
ファイバーグラス、つまりガラス繊維のマットに、
不飽和ポリエステル樹脂を含浸させながら積層して製造したものです。

 

例えば、駅のベンチやバスユニット、小型漁船などの素材として用いられています。

 

FRPは、紫外線により劣化されます。

 

紫外線により表面に塗布されているポリエステル樹脂のトップコートが分解して失われ、
さらに露出した不飽和ポリエステル樹脂の表層部が分解し、
キラキラ光るガラス繊維が露出してきます。

 

このような劣化現象を進行させないようにするためには、
表面の塗りかえを行う事が必要です。

 

FRPタンクの塗替え

 

FRPタンクの塗替え時に使用する塗料は、
アクリルシリコン系の溶剤形を用いるのが一般的です。

 

プライマーとして遮光性のあるタイプも仕様化されています。

 

FRPは、太陽光の一部を通す性質があるため、
タンク内に藻が発生することがあります。
この藻の発生を防止する目的で、
光をさえぎる必要がある場合、遮光性プライマーを塗布します。

 

1970年ごろの一体型のタンクの例では、
表面の塗装塗替えを行いましたが、どこにも異常はみられず、
架台になっている鉄骨の防錆対策がテーマとして塗り替えられています。

 

この塗替えを行ったタンクをみる限りでは、
FRP製タンクは、塗装塗り替えを行うことで、
半永久的な耐久性があると考えられています。

 

パネル式は、パネルの接合部にボルトを使用し、
ボルト以外にも金属部品を使用する事もあります。

 

ですから、パネル式では、鉄部が発錆することがあるので、
FRPそのものの耐久性には関係なく、
ボルトなどの金属部品の耐久性を確保するための塗替え塗装が必要になります。

 

FRP製タンクの更新

 

マンションなどでは、FRP製タンクの更新をどの時点で行うのか、
長期修繕計画で想定することが必要です。

 

ですが、最近は、この想定が複雑になり、判断が難しくなってます。

 

なぜなら、法改正があり、
マンションでも上水道の直結方式が認められるようになったからです。

 

この直結方式を巡り、判断が難しくなっています。

 

また、専任のスタッフがいない管理組合としては、
なかなか判断し、実行することが難しい現状にあります。

 

直結方式とは

 

直結方式とは、一戸建住宅と同じように、
各住戸の給水管を水道本管に直結する方式のことをいいますが、
この直結方式にすると、受水槽も、高架水槽も、揚水ポンプも不要になります。

 

とはいっても自治体の水道局は、無条件で直結方式を認めるわけではありません。
いくつかの条件をクリアした場合のみ認めています。

 

最も大きな問題は、給水管が老朽化していると、
直結してしまえば、水圧が上り、漏水する可能性が出てくるということがあります。

 

漏水の可能性の判断は簡単なことではありません。

 

直結方式とすることを躊躇う部分があると、
次善の対策として、高架水槽に直結する方法もあります。

 

この高架水槽に直結する方法では、水圧は変わりませんから、
将来はともかく、取りあえず、漏水する可能性を心配する必要がなくなります。
そして、受水槽と揚水ポンプは不要になります。

 

もし、高架水槽に直結する方法を採用するとするならば、
当然、高架水槽を長期的に維持しなければならなくなります。

 

表面の塗装塗替えを行うことにより、
耐久性を向上させることが可能です。

 

パネルの接合部をボルトで締めていることが原因で
端部が割れる場合もまれにあり、その場合は補修が必要です。
そして、補修する場合は、長時間の断水が許されません。

 

FRP製タンクの補修

 

FRP製タンクの補修は、
タンク内部に短時間で硬化する塗膜防水層を形成する方法が適しています。
そして、塗膜は、環境ホルモンなどの有害物質を、
一切含んでいないものを選択することが必要です。

 

現在は、超高速化ポリウレア樹脂スプレー工法しかなく、
FRP防水で保守する事もありますが、
工場で製作するパネルとは異なり、
現場施工の不飽和ポリエステル樹脂は硬化過程で環境ホルモンの一つである
ブスフェノールAを生成する疑いがあるため、使用を避けるべきだといわれています。

 

超高速化ポリウレア樹脂スプレー工法

 

超高速化ポリウレア樹脂スプレー工法は、
超高速化ポリウタンゴムスプレー工法と似ていて、
主に土木分野の上下水道施設、農業用水路などのライニング材として使用されているものです。

 

地下の鉄筋コンクリート製受水槽の防水改修を行う場合の工法としても適しています。

 

アクリルシリコン系塗料によるFRP製タンクの塗替え

 

大規模修繕工事は10年に一度行うのが一般的になっていますが、
アクリルシリコン系塗料によるFRP製タンクの塗替えも、
この大規模修繕工事に併せて行うのが合理的です。

 

FRPは、鉄部には含まれませんし、

 

アクリルシリコン系塗料は、耐候性がかなり優れていて、
10〜12年程度でチョーキングが目立つなどの老化現象は見られません。

 

また、鉄とは異なり、発錆するなど、塗替えの指標になる老化現象も見られませんから、
大規模修繕工事で見落とされてしまうこともありがちですが、
見落としには注意すべきです。

 

理想としては、劣化を「想定」し、10年程度で塗り替えるくらいが適切です。