マンションの外壁塗装の疑問

金属製手摺支柱アンカー部分の腐食対策

鉄筋コンクリートのマンションにおける耐久性で、
最も大切なのは、鉄筋を発錆させないということです。

 

そして、金属製手摺支柱アンカー部分の腐食対策についても、
とても重要です。

 

アンカー部分の腐食原因

 

アルミ製手摺支柱のアンカー部分のコンクリートにひび割れが生じた場合、
放置すれば、やがてコンクリート片は落下します。
万が一落下すれば、人命に関わる大事故に繋がります。

 

低層のマンションであればまだしも、
超高層マンションにも見られるとても危険な故障の一つなので、
しっかりと対策していくことが重要です。

 

アルミ製手摺支柱のアンカー部分で、コンクリートにひび割れが生じている場合、
その部分のコンクリートを撤去してみると、
コンクリートのひび割れの原因となっている直接的なものは、
アルミ製手摺ではなく、接続されている鉄部の発錆であることが分ります。

 

金属製手摺は、支柱アンカー部分を、
鉄筋、或いは埋設された鉄板に溶接し、必要な強度を確保します。

 

アルミ製の場合は、溶接が難しく、
鉄製の部材を溶接して、アルミ製の部材を差し込むという形で接続しています。

 

異なる金属同士を接触させると、イオン化傾向の強い金属は酸化され、
イオン化傾向の小さい金属は還元される性質がありますが、
この場合のアルミと鉄とでは、アルミのほうがイオン化傾向が強いので、
アルミが酸化され、腐食してしまうのです。

 

ですが、水の浸入により、やはり鉄の錆のほうが早く進むことが多いようです。

 

この場合、アルミ角パイプのまわりからコンクリートの中に雨水が浸入するか、
角パイプの中に雨水が侵入しているのか、
或いは、角パイプの中が結露しているかのいずれかによって、
鉄部の発錆が進んでいると考えられます。

 

実際、アルミ製角パイプに、アルミ製アングルが固定されていますが、
その固定しているビスを抜くと、角パイプの中にたまっている水が
勢いよく流れ出してくることがあります。

 

この水は、角パイプの接合部、或いはビス穴などから侵入した雨水でしょう。

 

もう一つの可能性として、角パイプの中に生じる結露水であるとも考えられます。

 

角パイプの中が湿度の高い状態であると、
アルミの温度が低下したとき、内部に結露が生じます。

 

アンカー部のコンクリートから、
角パイプの中が高湿度になる原因となる水分が供給されていると考えられます。

 

アンカー部分の腐食対策

 

アンカー部分の腐食対策としては、
「アルミパイプのまわりから雨水が侵入するのを防止する」という方法と、
「パイプの中の雨水の侵入を対策する」、
さらには、「結露水の対策をする」ことがあります。

 

 

アルミパイプのまわりから雨水が侵入するのを防止する方法

 

アルミパイプのまわりから雨水が侵入するのを防止する方法は、
パイプまわりをウレタン系シーリング材で三角打ち(10×10/mm程度)し、
シーリング材の上を含め、コンクリート立上り天端の全面に
ウレタン系塗膜防水材を塗布するという方法が有効的です。

 

2回防水材を塗り、膜厚の標準は2mmとします。

 

パイプの中の雨水の侵入と結露水の対策

 

パイプの中の雨水の侵入、或いは結露水の対策は、
パイプのアンカーブから20mm程度上の位置に径5mm程度の穴をあけて、
内部にエポキシ樹脂、またはポリマーセメントモルタルを注入する方法が一般的です。

 

上部から侵入する雨水、或いは結露水は、
穴から流れ出て、排出される状態にしておくことがポイントです。

 

パイプ内部には、モルタルまたはコンクリートの充填が難しいので、
一般的には空洞になっています。

 

ですから、注入剤がエポキシ樹脂ではとても量が多く必要で、
コストが高くついてしまうため、
そのコスト対策としてポリマーセメントモルタルを使用することもあります。

 

また、パイプ内部の水は、接合部或いはビス穴などから侵入した雨水なのか、
パイプの中に生じる結露水なのかを判断することが難しい場合も多いです。

 

ですが、エポキシ樹脂、またはポリマーセメントモルタルを注入する方法では、
いずれであっても対応できるので、一般的にこの方法が行われています。

 

異なる金属同士の接触によるアルミの腐食の問題は解決できません。

 

ですが、もし腐食が進行したとしても、
アルミパイプの内側が、鉄パイプと接触していることから、
腐食は内側に生じると考えられます。

 

ですから、外側のコンクリートには、膨張圧が及びにくく、
エポキシ樹脂、またはポリマーセメントモルタルを
注入する方法による対策とあわせて行うことで、
コンクリートが早期にひび割れてしまうようなことは避けられると考えられます。