マンションの外壁塗装の疑問

鉄部塗替え用塗料の種類

スチール製の手摺やドアなど、鉄部の塗装の耐久性は、
マンションを良好な状態に保つためには、とても重要です。

 

鉄部の塗替え用塗料の転換

 

手摺はアルミ製のものが普及していますが、
1990年代までの主流はスチール製でした。

 

スチール製の手摺は躯体に埋め込む部分で発錆しやすく、
発錆すると、腐食と呼ばれる状態になります。

 

また、スチール製の手摺の躯体に埋め込む部分の発錆は、
鉄筋の発錆と同じように、
膨張して周囲のモルタル或いは
コンクリートを押し出すように損傷することがあります。

 

この部分の発錆を防止する方法としては、
塗装の前処理にシーリング材を三角打ちと呼んでいる形状に成型する方法が有効です。

 

シーリング材は防水材の一種です。
ですからこの部分から雨水の侵入を防ぐことが出来ます。

 

雨水の侵入を防ぐことが出来れば、発錆しません。

 

鉄部用塗料には色々な塗料があり、
その中で最も一般的に使用されている塗料は、
アクリルウレタン系と呼ばれる塗料になっています。

 

アクリルウレタン系塗料は、単に、ウレタン塗料と呼ばれる事もあり、
溶剤系2成分形の塗料です。

 

1960年代までは、オイルペイント(OP)が、鉄部用塗料として一般的でした。
ですが1970年代になると合成樹脂調合ペイントに急速に転換し、
1980年代にはアクリルウレタン系塗料が、
外壁用材料のトップコートとして普及し始め、
鉄部用としても使われ始めました。

 

 

防錆塗料

 

鉄部用塗料の耐久性には、防錆塗料の性能も深く関係してきます。

 

防錆塗料にも色々な種類がありますが、一般的に使用され、
主流となっているのは、エポキシ樹脂系です。

 

エポキシ樹脂は、他の樹脂と比べると極めて接着性に優れています。
接着剤や注入用樹脂として広く普及しているもので、
近年、防錆塗料としても急速に普及してきました。

 

エポキシ樹脂は、硬い樹脂ですが、
接着力が強いので、接着疲労が起こりにくいといわれています。

 

鉄部塗替え

 

近年行われている鉄部塗り替えは、エポキシ樹脂防錆塗料を塗布し、
その上からアクリルウレタン系塗料を2回塗るというのが主流です。
この仕様で塗装することによって、
塗り替えは、3年や5年ごとではなく、
5年から7年の間に部分的にタッチアップ補修をし、
大規模修繕まで待って全面の塗替えを行うことで維持ができると考えられています。

 

3年や5年ごとに塗り替えが必要だというのは、
塗料がオイルペイントだった時代の考え方で、
最近はとても大きく進歩しています。

 

アクリルウレタン系塗料のメリット

 

アクリルウレタン系塗料は、当初、高級な塗料と認識されていたので、
合成樹脂調合ペイントと比べるとコストは高くなりましたが、
耐候性に格段と優れていることや、
チョーキングが5年経っても目立たないなど、大きなメリットがありました。

 

チョーキングとは、塗料が劣化すると表面が粉状になる現象で、
チョーク(白墨)の粉に似ているので、この現象をチョーキングといいます。

 

また、塗布した直後の艶の状態と、
時間が経った後の艶の状態を比較する方法「艶引け」は、
光の反射率として測定できますが、
5年以上経った状態でのオイルペイントと、アクリルウレタン系塗料を比べると、
アクリルウレタン系塗料は、艶がかなり残っている状態です。

 

さらに、アクリルウレタン系塗料は、硬化しても一定の伸び性能を持つ柔らかいタイプができるので、
我が生じにくい塗膜が作られます。
オイルペイントでは、硬い塗膜なので、割れが生じ、
その部分から反るように剥がれてしまうことがありますが、
伸び性能がある塗膜(弾性塗膜)は、このような形で剥がれることはありません。

 

硬い塗膜は、乾燥に伴う収縮力による内部応力を生じているところに、
鉄と塗膜の異なる動き(デイファレンシャルムーブメント)により、
接着疲労が生じ、剥離しやすくなると思われます。

 

弾性の塗膜は、接着疲労が生じにくいことから、剥離しにくいといえます。

 

塗膜の割れと反りは、接着疲労によって接着力が低下して剥離が生じ、
剥離した部分に乾燥収縮による内部応力(残留応力)が塗膜の引っ張り強さを超え、
割れが生じ、塗膜の裏面部分より表面部分の収縮が大きいことから反りが生じています。

 

下塗りしている防錆塗料と上塗りの調合ペイントの収縮に差があり、
上塗り調合ペイントの収縮性のほうが大きいため、
裏面部分より、表面部分の収縮が大きくなります。

 

アクリルウレタン系塗料について

 

アクリルウレタン系塗料は、溶剤形なので、
なるべく避けたいという要望が強くあります。
ですが、外壁用は水性に転換していますが、
鉄部用に関しては転換が遅く、アクリルウレタン系が使われています。

 

水性の塗料を刷毛で塗布すると、刷毛目が残り、フラットに仕上がりません。
ですが、溶剤形は、刷毛で塗ってもフラットに仕上げることができます。
この性質を、レベリング性といいますが、水性塗料は、
レベリング性が劣るので仕上がりません。

 

そのため、鉄部用に関しては、アクリルウレタン系が使われています。

 

VOC(揮発性有機化合物)対策として、
規制される溶剤を使用しないように、
弱溶剤形と称して対応しているという現状があります。

 

 

鉄部の発錆防止

 

鉄筋の発錆防止のためには、
コンクリートの表面に厚さ0.5mm以上の塗膜防水材の塗膜を形成するのが効果的です。
この考え方は、一般の鉄部でも成り立ちます。
つまり、鉄の発錆をぼうしするには、水と酸素を遮断すればよいのです。

 

ですが、現実の鉄部塗料の厚さは30〜50ミクロン、
0.03〜0.05mmで発錆防止に必要な塗膜厚さの10分の1しかありません。

 

この膜厚では、顕微鏡的に見るとピンホールだらけという状態で、
水と酸素を遮断することは不可能です。

 

では、鉄部にウレタンゴム系塗膜防水材を厚さ0.5mm以上塗布すれば
防錆塗料になるかというと、
ピンホールの殆どない優れた防錆層になります。

 

とはいっても、例えば手摺などに、この塗膜厚さを確保し、
均一に塗布できるかというと、とても難しい現状があります。

 

鉄骨階段の床部分などには、
均一に塗布することができ、優れた防錆塗料として使用することができます。