マンションの外壁塗装の疑問

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外壁塗装の塗替え用塗料は、
以前は、アクリルウレタン系と水性アクリル樹脂系が圧倒的に多かったのですが、
現在は、塗替え用塗料といえば、水性アクリルシリコン系という時代です。

 

塗替え用塗料に限ったことではなく、塗料は、1990年代後半からは
水性でなければ世の中に通用しない状況となっています。

 

溶剤系から水性への転換

 

アクリルウレタン系は、溶剤系で、
なるべく溶剤系は避けたいという要望が多くなったこと、
アクリル樹脂系は水性であっても、耐候性などの性能が満足できるものではなかったところに、
水性アクリルシリコン系が投入され、満足できるものとして歓迎されたことなどにより、
現在の塗料の主流は、水性アクリルシリコン系です。

 

溶剤系から水性への転換の理由

 

溶剤系から水性への転換は、
VOC(揮発性有機化合物)規制対策の結果によるものです。

 

公共建築を中心に、シックハウス問題から始まり、
シックスクールに問題が広がったVOCの規制は年々厳しくなっています。
しかし、外壁は直接の規制がない割に、その対策は最も成功しています。

 

外壁は、10年経てばリニューアルするという考え方が確立した状態にあるため、
塗替え用塗料として、水性アクリルシリコン系は、
性能的に殆ど問題ありません。

 

水性アクリルシリコン系塗料

 

水性アクリルシリコン系塗料は、実用化して10年ほどです。

 

耐候性について、今まで使用していた溶剤系のアクリルウレタン系と比較すると、
光沢保持率などでは劣るといわれています。
ですが、塗布後、7.8年経ってもチョーキングは目立ちません。
10年は持つということができます。

 

汚れの付着に関しても、今までの溶剤系と比べるとやや劣ります。
つまり、汚れやすいといえばそうなのですが、
10年経ったら塗り替えるという前提があるので、問題はないでしょう。

 

水性アクリルシリコン系塗料の接着性については、
塗料メーカーの大半が「微弾性フィラー」をプライマーとして仕様化していて、
「微弾性フィラー」の接着性機能上の問題もありません。

 

シーラーとして水性エポキシ樹脂系も使用できますが、
これも接着性能上の問題は全くありません。

 

つまり、水性アクリルシリコン系塗料は、
10年ごとのリニューアルを前提にすれば、
耐候性、耐汚染性、及び接着性など、
塗料としての基本的性能についてほぼ満足すべきものであるといえます。

 

水性アクリルシリコン系塗料がマンションの塗替え材市場を席巻している状況ですが、
外壁用仕上げ材に求められる機能は、
これですべてクリアかというと、残念ながらそうではありません。

 

・ひび割れ追従性

 

メーカー各社は、「微弾性フィラー」改め「可とう改修用仕上塗料」を全面に
0.8〜1.3kg/u塗布し、ひび割れを防ぐとしています。
そして、その上に、0.13kg/uの水性アクリルシリコン系塗料を2回塗りするとしています。
これでひび割れの動きに追従しようとしているのですが、
それには疑問があります。

 

・防水性

 

外壁用仕上げ材は、鉄筋コンクリートの耐久性を高める機能を持つべきものです。

 

鉄筋コンクリートの耐久性を高めるために必要な性能は、防水性です。

 

防水性について「可とう改修用仕上塗料」を全面に
0.8〜1.3kg/u塗布し、その上に、
0.13kg/uの水性アクリルシリコン系塗料を2回塗るという使用では、
満足できるものではありません。

 

満足できるものとは、屋上にも通用するぐらいのものである必要があります。

 

塗り替え用の塗料として可能性が高いのは、
JIS A 6021「建築用塗膜防水材」外壁用です。

 

このJIS A 6021「建築用塗膜防水材」外壁用は、
コストアップするので、普及しません。

 

ですが、コストは、トータルライフサイクルコストで判断すべきです。
ですから、JIS A 6021「建築用塗膜防水材」外壁用の防水性と、
ガスバリヤー性で鉄筋コンクリートの耐久性を半永久的に伸ばせるのであれば、
JIS A 6021「建築用塗膜防水材」外壁用を使用することによるコストアップは、
全く問題にならないはずです。